日本には、1年を通して主に23の行事があります。お正月や節分など、子どもの頃から親しんできたものもあれば、お住まいの地域によっては、なじみのないものもあるかもしれません。それぞれの行事には大切な意味や由来があり、そこに添えられる食事にも深い意味が込められています。「行事食年鑑」では、そんな行事ごとの歴史や風習、行事食の意味を解説。知ることで、より行事を楽しめるだけでなく、日々の暮らしに取り入れやすくなり、ご家庭や教育現場での食育にも役立ちます。

※旧暦に合わせて2月始まりとしています

行事名 期間 行事食 行事の目的 詳細ページ
2月 節分 2月3日前後 福豆・塩鰯・恵方巻・福茶 季節の変わり目である立春の前日に行われる邪気祓いの行事
初午 2月上旬
2025年:2月6日
いなり寿司・畑菜の辛子和え・粕汁 2月最初の午の日に稲荷神社へ参り、豊作や商売繁盛を祈願する
3月 上巳の節供(ひな祭り) 3月3日 ばらずし(ちらし寿司)・蛤のお吸い物・てっぱい 五節供のひとつ。災厄を祓い、女の子の健やかな成長と幸せを願う日
春分の日 3月20日〜21日ごろ ぼたもち 自然をたたえ生物をいつくしむ国民の祝日。春のお彼岸の中日
5月 端午の節供(こどもの日) 5月5日 粽・柏餅・鯛の兜煮・筍やそら豆料理 五節供のひとつ。菖蒲やよもぎの香りで邪気祓いし、男の子の健やかな成長を祝う
6月 夏越の祓 6月30日 水無月 半年分の罪や穢れを払い、残りの半年を新たな気持ち出迎える
7月 七夕の節供 7月7日 そうめん 細く長いものを食べ、一年の無病息災と、さまざまな技芸上達を願う
夏土用・丑の日 7月19日~8月6日ごろ
・2025年:7月19日(一の丑)
・2025年:7月31日(ニの丑)
・「う」のつくもの
・「黒い」もの
鰻・うめ・うり・うどん・牛肉・しじみ・土用餅など

年に4回ある土用の内、立秋の直前の18日間を指し、丑の日にちなみ「う」のつくものを食べて養生する
8月 盂蘭盆会 8月13日~16日 精進料理・あらめの炊いたん ご先祖様の霊をお迎えし供養する期間
9月 重陽の節供 9月9日 栗赤飯・菊酒・菊料理・茄子料理 五節供のひとつ。五穀豊穣に感謝し、菊の花の効力に長寿、無病息災を願う
秋分の日 9月22日または23日
2025年:9月23日
おはぎ ご先祖様を敬い亡くなった人を偲ぶ国民の祝日。秋のお彼岸の中日
10月 十五夜(中秋の名月/芋名月) 9月中旬〜10月上旬
2025年:10月6日
月見団子・きぬかつぎ 一年で最も明るく、美しい月が鑑賞できる日。団子や里芋をお供えし、五穀豊穣を祈願する
ゑびす講 10月20日 はんぺい汁・鯛の尾頭煮 七福神の一人、豊漁の神様であるゑびす大神を祀る神社に参拝し、商売繁盛や家運隆昌を願う
11月 十三夜(栗名月) 10月上旬〜11月上旬
2025年:11月2日
月見団子・ゆで栗・ゆで枝豆 十五夜に次いで美しい月が鑑賞できる日。栗や豆、芋などをお供えし、秋の実りに感謝する
亥子 11月上旬
2025年:11月2日
亥の子餅 亥の月の最初の亥の日、亥の刻に亥子餅を食べ、無病息災、家内安全、子孫繁栄を祈る
12月 大根焚き 12月7、8日 大根の煮物 寒い冬に温かい大根の煮物を食べて、一年を健康に過ごせるように願う、京都の冬の風物詩
冬至 12月21日または22日
2025年:12月22日
かぼちゃのいとこ煮・冬至七草 二十四節気のひとつ。一年で最も昼が短く夜が長くなる日。冬至南瓜を食べて厳しい冬を乗り切る
大晦日 12月31日 年越しそば 一年を締めくくり、新しい年を迎えるための特別な日
1月 お正月 1月1日 お節料理・お雑煮・お屠蘇・大福茶・花びら餅 新しい年と共に訪れる歳神様をもてなし、共に過ごす期間
人日の節供 1月7日 七草粥 七草粥を食べて胃腸を休め、一年の無病息災を願う
鏡開き 1月11日(4日、15日、20日) 餅入りぜんざい・おしるこ・水菜のすまし汁 お正月の間、歳神様にお供えしていた鏡餅を下げていただく
小正月 1月15日 小豆粥、餅入りぜんざい 小豆粥やぜんざいを食べて邪気を払い、正月飾りやお守りを寺社で焼いて無病息災を願う
骨正月 1月20日 ぶり大根・鮭の粕汁 正月行事を締めくくる祝い納めの日。正月に用意した魚などの食材を食べ切る