三月 春分の日 【しゅんぶんのひ】

- 自然への感謝
- 心身の浄化
- 家族の安寧
- 先祖供養
ご先祖様と自然に感謝し、生き物を慈しむ
二十四節気(太陽の動きをもとに1年を24分割した暦)のひとつで、昼と夜の長さがほぼ同じになり、この日を境に昼がだんだん長くなっていく季節の変わり目。国立天文台の暦象計算によって毎年日付が決定され、公示されます。
元々は、歴代天皇や皇族の御霊を宮中で手厚く祀る「春季皇霊祭(しゅんきこうれいさい)」が行われていた日で、明治時代に国家の祝祭日として定められていました。第二次世界大戦後、日本の民主化と政教分離の方針のもと、1948年に新しい法律によって国民の祝日に制定。「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」と定められました。古来より農耕が生活の中心であった日本人にとって、春分の日は、冬が終わり、農作業を開始する目安の日。その年の五穀豊穣を祈願する大切な節目として、自然の恵みへの感謝と、生命の再生を祝う意味も込められました。
また、春分の日には、太陽が真東から昇り真西に沈みますが、仏教の教えでは、太陽が真西に沈む時期は、ご先祖様が住む極楽浄土と現世が交流しやすいと考えられていました。そのため、春分の日を中日として前後3日を合わせた7日間のことを「彼岸」といい、お墓参りをする習慣ができたといわれています。ご先祖様への感謝を込めて供養を行い、あわせて自分自身の日頃の行いを見つめ直すと良いでしょう。
「春分の日」の行事食

牡丹餅 【ぼたもち】
春のお彼岸に欠かせない和菓子。丸い形や餡の様子がこの頃に咲く牡丹の花を連想させることから「牡丹餅=ぼたもち」と名付けられました。一方、秋のお彼岸には、同じものが秋に咲く萩の花にちなんで「御萩(おはぎ」と呼ばれます。お墓や仏壇にお供えした後に家族でいただくことで、ご先祖様とのつながりを再確認し、良い供養に。邪気を払う力があるといわれる小豆を使い、縁起の良い華やかな花に見立てることで、魔除けや病除けを期待する意味もあります。